どもども。
最近、ライザのアトリエが大ヒットしましたね(アトリエ比較)
なんでもメルル以来の売れ行きっぷりだそうで。
今回の記事は、ちょっとアトリエについて。
特に「黄昏」を紹介したいと思います。
ライザについては触れていないのであしからず。
もくじ
アーランド以降のアトリエシリーズ
メルルがA13にあたり、ライザはA21にあたるんですよね。
となると、A14〜A20は毎年コンスタントに発売されつつも、ジワジワとした人気でしかなかった。
この中には、
・「黄昏」シリーズ(A14〜16)
・「不思議な」シリーズ(A17〜19)
・20周年記念のネルケ(お祭り作品)
・アーランド4のルルア(A20)
があるわけです。
不思議なシリーズはアトリエ歴代人気キャラ投票で1位に輝いたソフィーや、
コルネリアという人気キャラがいることもあって、人気っちゃ人気。
特にA17のソフィーのアトリエですね。
そして、メルルの続編にあたるアーランド4、ルルアのアトリエも、まあ注目度は高かった。
岸田メル氏と再びタッグ組んで…ってのはやっぱり凄い注目された。
「ルルアがロロナの娘」ってことも反響の要因かもしれないですね。
ネルケは番外編的な括りなため割愛。
とまあこんな感じで、ジワ売れではあったもののA16以降はなんだかんだ話題にはなってたんですよ。
A17のフィリスのアトリエはシリーズ初の「オープンワールド化」を掲げたこともあったし。
(リディー・スールはちょっとどうだったか覚えてないけど)
あとまあ、アトリエオンラインもあったか…。
でも、A14〜16の「黄昏」シリーズ。
こいつら、本当に埋もれてしまっているんですよ。
なぜ埋もれてしまったのか
というのも、やはり前作の「メルルのアトリエ」が絶妙なバランスだった。
ゲーム性も難しすぎず簡単すぎず、それでいてやり込み要素も沢山ある。
恒例のマルチエンディングシステムも上手いこと落とし込んでいて、
「複数の条件を達成していても特定のエンディングを選べる」という、
前作にあたるトトリのしんどすぎるシステムが見事に改善されていた。
岸田メルが描くイラストとアーランドの世界観・キャラクターたちの集大成作品でもあって、本当に完成度の高い作品だった。
スチルのみならず、会話シーンは立ち絵が用意されていたのも印象深い。
だからこそ、A12「メルルのアトリエ〜アーランドの錬金術士3〜」がヒットしたんだと思います。
売上を見れば、アーランドシリーズのロロナ、トトリ…もっといえば、過去のアトリエシリーズ未経験者たちが一気に流れ込んだ作品だろうと推測できる。
そうなると…
「あれだけメルルが楽しかったんだから」
という気持ちで、否が応でも「続編」への期待は高まっていたはず。
そこで発売されたのがA14「アーシャのアトリエ〜黄昏の大地の錬金術士〜」だ。
イラストレーターは左氏を起用し、世界観も一新。
アーランドとは一線を画すテイストの雰囲気で、ストーリーも若干重くなった。
これはアトリエシリーズ経験者からすれば当たり前なのだが、
- 採取システム
- 調合システム
- 戦闘システム
など、ゲームの根幹を成す部分が新作シリーズということで全て"一新"された。
アトリエは、ざっくりすると
採取
↓
調合・装備を整える
↓
戦闘
っていうのがまあ基本の流れ。
これをサイクルして、よりレア度の高いアイテムが採取できるエリアや、強力なアイテムやら、ボスやら…と延々と続いていく。
この全てが一新されたことで、違和感を覚えたり
「メルルと全然ちゃうやん」
といった具合に"期待外れ"に思ったユーザが多くいたのだろう。
また、立ち絵の廃止を悔やむ声も多く見られた。
「アーシャのアトリエ」は酷評され、発売してさほど間も経たずに中古ショップで値崩れしていたのを今でも覚えている。
Amazonなんかのレビューもかなりの低評価だった。
「黄昏シリーズ」はアーランド同様3部作(後者はまさかの4が出たが)。
アーシャで勢いを失った黄昏は、
その後に続いた「エスカ・ロジー」、「シャリー」と勢いを取り戻せずに終わってしまった。
私は古参といえるほどのアトリエ歴はない。でも、
「ヴィオラートのアトリエ」(A5)に始まり、イリスをすっ飛ばして
「アーランドシリーズ」、「黄昏シリーズ」、「不思議シリーズ」を一応プレイしてきた。
しかし、ここで敢えて声を大にして言いたいことがある。
個人的にアトリエで一番好きなシリーズは「黄昏シリーズ」であると。
黄昏シリーズの魅力
じゃあ一体、黄昏シリーズの何が最高なのか。
これを以下の5つの観点から解説していく。
-
世界観
-
BGM
-
ちょっと重めなストーリー
-
戦闘システム
-
調合システムの中毒性
-
日数制限システム撤廃という後世に引き継がれる英断
それぞれざっくりではあるものの、お付き合い頂けたら嬉しい。
世界観
まず最初に大好きなポイントは「世界観」だ。
後述するが「黄昏化」が進行している世界は、透明感のあるファンタジックな雰囲気に包まれ、その中で過ごす人々や生物たちの"さま"が描かれている。
透明感はもう言葉では説明できないのでプレイしてくれとしか言いようがないが、きっと言っている意味が分かってくれると思う(特にシャリー)
過去の人間たちが犯した過ちの産物や歴史ある建造物の荘厳な雰囲気。
それとは対極的な木々が生茂っている自然の力強さを感じるフィールドなどなど。
その両面を味わうことができる。
他のアトリエ以上に「人工物」と「自然」の差を感じた(適当)。
左氏の描く味のあるイラストはこの世界観と非常にマッチしていた。
黄昏に喘ぐ住民たちや、民族的衣装を身に纏うキャラクターたちが生き生きと描かれていた。
背景などのイラストも非常に美しかった。
BGM
また、ガストのゲームは総じて言えることだがやはりBGMが最高だ。
アトリエではかわいらしく、戦闘ではカッコ良く。
フィールドでは切ない曲や、その風景にぴったりの美しい曲。
イベント・キャラ固有曲も、しばらく聴いていたいと思えるようなものばかりだ。
(過去にAmazonに投稿した自分のレビューから抜粋)
3部全て、雰囲気を演出する最高の音楽が用意されている。
特に「シャリー」を初めて起動した時に流れたOP「Rusty Sky」は「黄昏の深刻化という世界観の表現」が見事にされていて驚嘆した。
どの曲も少し民族音楽的なテイストがあり、聴いていて決して疲れることはない。
また「よくラスボス戦でこの曲を作ったな」と思わせられるような、儚くも壮大で美しいボーカル曲が用意されているのも印象的。
「MARIA」がアーシャのラスボス戦で流れた時は
「このゲームすげえや」
と素直に重った。
嫌でも気持ちが盛り上がるし、負けそうでも諦めない気持ちにさせてくれた(自分的にはね)。
ウィルベルの成長の物語でもある
これはちょっとした余談になるが、
黄昏シリーズ皆勤賞のサブキャラに
「ウィルベル・フォル=エルスリード(Wilbell voll=Erslied)」
というキャラクターが登場する。
魔法使い見習いの少女なのだが、彼女がシリーズを通して成長していくさまを見ることができる。
黄昏シリーズは、この「ウィルベル」という魔法使いの成長を見守る物語でもあるのだ。
ちょっと重めなストーリー
黄昏シリーズには大前提というか、ストーリーの根幹を成す設定がある。
それが「世界の黄昏化」だ。
これは噛み砕いて言うと
「ゆっくりと、だが着実に世界の終わりが近づきつつある」
みたいなイメージ。
少しずつ世界から資源的なものが尽き始めたり、水が涸れてしまう地域が表れたり…。
背景がそこそこに重い作品なのだ。
「アトリエに重いストーリーは求めてない……」というファンの声をたまに耳にする。
だが、作中はさほど重い描写は出てこない。
たまーに触れられる程度であり、基本的には
「そんな暗くなってしまうような状況でも楽しく生きている」
様子が描写されている。
だから、決して気分が沈むと言うことはないのでご安心を。
プレイしていればコメディ要素もあるし、プレイしてて決して辛いゲームではないのだ。
ただ裏を返すと、設定だけとはいえストーリーのこの重さが「アーランドファン」に受け入れられなかった要因の一つだったのかもしれないとも言える。
アーランドは基本的に明るい物語だったし…。
戦闘システム
次は戦闘システム。
あまり「他作品と比べてどうのこうの」という紹介はしたくないのだが、
「アーランド」に比べると戦略性が増している。
特に「陣形」を考える戦闘は、敵を囲い込むのか、それとも対峙するのか…
アシスト発動で位置を組み替えるべきかなど、色々幅を持ちつつ考えながら戦闘が展開される。
変に複雑すぎないので楽しかった。
また、シャリーのアトリエの戦闘では「前衛・後衛」の概念があった。
従来のアシストアタックとは異なり「後衛がアシストアタック」することで、これもまたメンバー編成などの幅が広がっていた。
というかシャリーに関しては、他のアトリエ作品とは異なって戦闘でメンバーが6人(確か)絡んでくるので、そういう意味でも戦闘キャラの固定化がされにくく、色んなキャラで戦えて楽しかった。
一定条件を満たすことで「ヴァリアブル・ストライク」という特殊な連携技が発動させられ、様々な恩恵を受けられる。
強敵戦闘ではこれをいかに早く発動させられるかという駆け引きもあり、戦闘に関してはシャリーが一番楽しかったかもしれない。
調合システム
さて、アトリエを象徴する「調合」という概念。
アーランドは素材を決めたら完成して、特性を選ぶという感じだった。
ある意味シンプルで非常に分かりやすけど、奥も深い。
そんな調合システムだった。
ただ、黄昏は更に奥が深くなっている。
というのも、アイテムの「投入順」によっても完成品が異なってくる。
また、調合において使用できる「調合スキル」という概念が追加された。
そのため単に「良質な素材」をチョイスすれば良いというわけではなく、
「どの順番で投入するか」までよく思考を練らなければいけない。
また、属性値という概念もあり、4属性それぞれの値を絶妙に調節しなければ強力なアイテムを調合できなかったりもする。ただ良質な素材をぶっ込めばいいわけではない。
それに起因して中和剤も属性値に応じて複数種類(確か7種類?)あるため「とりあえずたくさん作っとけばいいや」が通用しない。
スキルを使うのか否か。
この順番でいいのか否か。
この素材で本当に良いのか否か。
終盤では試行錯誤して1つのアイテムを調合するのに1時間以上経過しているなんてこともザラにある(経験談)。
3部作で仕様が少し異なっているのも特徴で、「アーシャ」と「エスロジ・シャリー」という2グループに分けられる。記憶が間違ってたらごめん。
いずれもタイトな属性値調整が求められる。
日数制限システム撤廃という英断
アトリエには代々「日数制限」というルールが存在していた。
定められた期間内に特定の条件を達成できなければゲームオーバー・バッドエンドなど、どう足掻いても「逃れられない」ルールだった。
特にトトリのアトリエに関しては「1週目は捨てろ」とか「杖を当てるのも日数を計算して考えた方が良い」とか言われてた。
これはこれでしっかりとスケジュール管理をする必要があり、難易度を調整する意味では良かったかもしれないが、調合や移動・採取で日数を結構消費するので「自由度」は損なわれていたように思う。
しかし、黄昏3の「シャリーのアトリエ」でこの由緒ある「日数制限」がなんと撤廃されたのだ。
当時は賛否両論あった。
「ヌルゲー化した」とか結構言われてた。
まあ確かにそれは否定できない気もするけどその分難易度の選択ができるようになってたりする
でもそれ以上にメリット大きくないかと思うんですよ。
アイテムを採取するのも、戦闘するのも、エリア移動するのも、調合するのも。
全て「日数」を気にしなくていい。
個人的にはすごく嬉しかった。
調合でひたすら超強力なアイテム作りに没頭できるし、
超強い敵にも何度でも立ち向かえる。
すごく、アトリエの楽しみ方の幅が広がったと思う。
もちろん限られた日数の中でいかに効率良くプレイして、強力なアイテムを作るかって楽しみもあった。
でも個人的にはのんびりとプレイできる「日数制限撤廃」というのは超嬉しかった。
そして「日数制限」は後のアトリエ作品(ライザ含め)でも存在していない。
ある意味シャリーはアトリエの転換点だったともいえるのかもしれない。
ちなみに、トトリの日数制限がしんどすぎた(個人的に)こともあって、
日数制限がまだ健在のアーシャ・エスロジ共にそんなに大変じゃなかったです。
どうして今、こんな記事を書いたのか
さて、長々と書いてしまった。
最後に、このタイミングでこんな記事を投稿したのか
その思いを書いておく。
黄昏シリーズは、記事冒頭で触れた通り
メルル大ヒット→黄昏発売→イマイチな反応
って感じで埋もれてしまった。
そしてこちらも最初で触れたが、ライザのアトリエが大ヒットしている。
ネットなど見てると、明らかに新規ユーザーが増えている。
アトリエがゲームショップで売り切れるって、ほんとにヤバイ。
そしてこのタイミングで、
黄昏DX版として
Switch・PS4で12月25日、
Steamでは1月14日
にそれぞれ発売されると発表された。
正直去年アーランド3部作DXが同じように発売されて、
「黄昏も来年ワンチャンあるのでは…?いや、ないか…」
と勝手に諦めていたのでめちゃくちゃ嬉しい。
正直この記事を書こうと思った時は、
「ライザ売れてるし黄昏DXも勢いで売れるチャンスだぞ!再評価の流れ来い!」
なんて気楽に思っていたが、黄昏が埋もれた経緯を振り返ってみたら、
すごく状況が似ている気がしてきた。
また、黄昏が叩かれるという悲劇を繰り返して欲しくない。
むしろ、黄昏シリーズ再評価の流れに持っていきたいのだ。
ライザでアトリエに初めて触れて楽しかったって人はぜひ黄昏プレイして欲しい。
「黄昏は未プレイ」っていう人もぜひプレイしてください。
当時黄昏に失望したって人も、もう一度改めてプレイしてみてください。
胸を張ってオススメできる、
アトリエ史上に残る傑作シリーズだと思っています。
以上です。
ちなみに、黄昏DXの初回特典には「黄昏の伝承本」とかいう神的にいいハードカバーの本がついてきます。
黄昏世界をもっともっと堪能できる最高の特典なので、シリーズファンはマジで必見。
長々と読んでいただきありがとうございました。
コメント・感想などお待ちしております。
では次回。